2026年10月7日の日本株|日経平均は648円安、Googleの原発電力契約と日本企業の仕事
日経平均は70,035.71円と7万円台を維持。GoogleとConstellationの原発由来電力契約を起点に、岡野バルブの原発設備・保守、IHIの液化水素インフラを整理します。契約と実際の受注の違いも解説。

情報基準:2026年10月7日16:00(日本時間)。指数・株価は同日の東証終値です。
10月7日の日経平均は前日比648.27円安の70,035.71円。7万円台を保ったものの、節目をわずか35.71円上回る終値でした。半導体株を中心に売りが出る一方、原子力発電の関連株には買いが入りました。
きっかけの一つは、Googleと米Constellation Energyの長期電力契約です。AI向けデータセンターが使う電力をどう確保するか。そのニュースから日本企業の仕事へ目を向け、岡野バルブ製造とIHIを取り上げます。関連するテーマと、実際に売上・利益が増えることは分けて考えます。
🐼 今日の3ポイント
- 日経平均は70,035.71円(前日比−648.27円)、TOPIXは4,154.11(同−29.45)。市場全体も弱い一日だった。
- Googleの電力契約は合計3,590MW。このうち原発の出力増強による890MWは20年契約、既存の供給分2,700MWは15年契約。
- 岡野バルブは原発設備・保守を調べる入口。IHIは液化水素基地向け圧縮機の採用を発表した。ただし、両社のニュースが業績へ及ぼす影響はそれぞれ確認が必要。
日経平均は648円安|7万円台を維持したが市場は弱かった
まずは10月7日の終値を確認します。
| 指標 | 10月7日の値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均 | 70,035.71円 | −648.27円(−0.92%) |
| TOPIX | 4,154.11 | −29.45(−0.70%) |
| 東証プライムの騰落銘柄数 | 値上がり523・値下がり970 | 33業種中25業種が下落 |
東京エレクトロン、アドバンテストなどの半導体関連が日経平均を押し下げました。TOPIXも下がり、値下がり銘柄が値上がり銘柄を上回っています。指数の下落を半導体株だけの問題と見るのではなく、市場全体にも売りが広がった日として捉えたいところです。
その一方で原発関連株は上昇しました。市場が弱い日に買われた理由を探るには、株価の動きから一歩進んで、ニュースと企業の仕事をつなげてみます。
Googleの原発電力契約は何を意味する?
GoogleとConstellation Energyが発表した電力契約は合計3,590MWです。ただし、3,590MWのすべてが20年契約ではありません。 内訳を見ると、原発11基の出力を増強して生み出す890MWが20年、既存の原発電力2,700MWが15年です。Constellationは出力増強に関連して43億ドル超を投資するとしています。
| 電力の内訳 | 規模 | 契約期間 |
|---|---|---|
| 既存原発の出力増強による供給 | 890MW | 20年 |
| 既存の原発電力の供給 | 2,700MW | 15年 |
| 合計 | 3,590MW | 契約期間は内訳で異なる |
データセンターには大量の電力が必要です。AIの設備投資を半導体だけで考えず、発電設備、送電、保守まで見るきっかけになるニュースです。ただし、これは米国でのGoogleとConstellationの契約。日本の関連企業に直接注文が入ったという意味ではありません。
岡野バルブ製造(6492)|原発の稼働を支えるバルブ
国内の沸騰水型原発(BWR)向け高温高圧バルブで、約80%の納入シェアを持ちます。
岡野バルブ製造は、発電所で高温・高圧の蒸気の流れを制御するバルブを製造し、保守も手掛ける会社です。原発が長く動くには、設備の点検・交換が欠かせません。10月7日の終値は15,650円、前日比360円高(+2.35%)でした。
Googleの発表が国内の原発関連株にも注目を集めましたが、同社がGoogleから受注したわけではありません。「原発関連だから株価が上がった」と「原発向けの受注が増えた」は違います。 今後は国内原発の稼働状況に加え、設備更新や保守の売上、受注残、利益率を見たいところです。
2025年9月期の連結売上高は約70億円。大型の重工会社とは事業規模が異なり、個別の案件や設備投資の時期が業績にどう反映されるかも確認が必要です。株価は52週高値21,990円から下がっていますが、それだけで割安とは判断できません。
IHI(7013)|液化水素基地の圧縮機は商用インフラにつながる?
液化水素基地に使うBOG圧縮機の採用を、10月7日に発表しました。
IHIの子会社、IHI回転機械エンジニアリングが開発した圧縮機は、川崎重工業が建設する「川崎LH₂ターミナル」に採用されました。液化水素は約−253℃で保管しますが、一部は気体に戻ります。その蒸発ガス(BOG)を扱うのが圧縮機の役割です。
このニュースは、技術の構想だけでなく、商用規模の液化水素基地で使う設備の採用が決まった点に意味があります。ただし、IHIは航空エンジンなども手掛ける大きな企業です。圧縮機1案件の採用が会社全体の利益を大きく変えるとは限りません。 追加の受注、基地の建設数、水素供給の開始時期、案件の採算を追う必要があります。
10月7日のIHI株の終値は2,695.5円、前日比19.5円安(−0.72%)。発表と同じ日に株価が上がったわけではありません。
好決算でも株価が下がるのはなぜ?|note(5243)の例
noteは第3四半期累計の営業利益が8.49億円、前年同期比+567%でした。 それでも10月7日の株価は3,150円、前日比700円安(−18.18%)のストップ安です。
利益が増えたことと、発表後に株価が上がることは同じではありません。noteは決算前の10月2日に4,120円の年初来高値をつけ、通期営業利益予想11億円は今回据え置かれました。事前の期待が株価に織り込まれていた可能性があります。ただし、下落の理由を一つに断定することはできません。 今後の業績と株価の落ち着き方を別々に見ます。
引け後に出た会社発表|日本ファルコムなど
16時までに確認できた主な決算・業績修正を整理します。日本ファルコムの発表は15時30分で、この日の東証終値にはまだ十分反映されていない点にも注意が必要です。
| 会社 | 発表の主な数字 | 次に確認したいこと |
|---|---|---|
| 日本ファルコム(3723) | 2026年9月期の経常利益予想を22億円→28億円、期末配当予想を10円→60円へ修正 | 翌営業日の株価反応と、ゲームIPの継続的な収益 |
| エービーシー・マート(2670) | 上期経常利益379億円(前年同期比+5.7%)、通期予想674億円→698億円 | 通期の利益率と販売動向 |
| わらべや日洋HD(2918) | 通期経常利益予想76.5億円→60.5億円へ下方修正 | 原材料費・人件費などが利益へ及ぼす影響 |
上方修正が出た企業と下方修正が出た企業では、同じ「決算ニュース」でも次に確認する点が違います。日本ファルコムでは新作だけでなく、過去作の継続販売や海外展開も見たいところです。
次に見るのは株価だけでなく、受注と利益
10月7日の市場は弱くても、AI向けの電力調達、原発設備、液化水素基地といったテーマでは具体的な動きがありました。しかし、材料が出た段階と、企業の売上・利益に現れた段階は異なります。
10月8日には米FOMC議事要旨の日本時間での公表や、ファーストリテイリング、セブン&アイの決算が予定されています。市場の方向だけでなく、それぞれの会社の次の数字を確認したいところです。
あわせて読みたい
ぱんだ塾長の当日の見方や、ほかの注目銘柄はnoteの10月7日夕刊にまとめています。
参考情報
- GoogleとConstellationの電力契約|Google公式発表
- 原発・火力向けバルブの事業とシェア|岡野バルブ製造
- 液化水素BOG圧縮機の採用|IHI
- 2026年8月の景気動向指数|内閣府
- FOMCの日程|米連邦準備制度
本記事は情報提供を目的とし、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値と見通しは記載した対象日時点の情報です。
岡野バルブ製造(6492)



