SWCC・タムラ製作所・荏原を比較|AIデータセンターの電力・光通信・冷却関連株【2026年9月23日】
東証休場中のAI投資ニュースから、SWCC・タムラ製作所・荏原の事業と業績を整理。9月18日の終値、PER・PBR、高値からの下落率を比較し、9月24日の市場再開で確認したいポイントをまとめます。

情報基準:2026年9月23日16:00ごろ。日本株の株価・指標は前営業日9月18日時点です。
AI投資を調べるとき、半導体の性能だけでは設備全体の姿は見えません。計算に必要な電気を運び、データを光でつなぎ、製造工程の熱を取り除く企業も関わります。
9月23日は東証の現物株市場が休場でした。この記事では、連休中の海外ニュースを手掛かりに、SWCC(5805)、タムラ製作所(6768)、荏原(6361)の違いを比較します。海外の設備投資計画は関連事業を調べる材料であり、3社の直接受注が決まったという意味ではありません。
9月23日の市場データ|日本株は9月18日の終値
9月21〜23日は現物株市場が休場です。一方、大阪取引所などでは対象デリバティブの祝日取引が実施されます。先物の動きと、日本株の終値は分けて確認する必要があります。
| 指標 | 確認値 | 対象時点 |
|---|---|---|
| 日経平均 | 65,018.95円 | 9月18日終値 |
| TOPIX | 4,091.14 | 9月18日終値 |
| NASDAQ総合 | 27,244.28、前日比+0.45% | 米国9月22日終値 |
| NYダウ | 前日比-0.36% | 米国9月22日終値 |
| S&P500 | ほぼ横ばい | 米国9月22日終値 |
NASDAQが最高値を更新しても、米国株全体が一様に上昇したわけではありません。日本市場が5連休を経て再開する24日は、海外材料への反応が一部の銘柄に偏るか、関連業種へ広がるかが確認点です。
出典:JPX休業日一覧、祝日取引のお知らせ、日経平均時系列、TOPIX時系列、NASDAQ総合指数。
AI投資の広がりを示す2つのニュース
9月22日に公表された台湾の8月輸出受注は、前年同月比71.4%増の1,029.6億ドルでした。AIサーバーや半導体などの需要を背景に、初めて1,000億ドルを超えています。株価への期待だけでなく、受注という実際の取引に近い数字を見る材料です。台湾の輸出受注報道
同じ22日、AlibabaはAIチップ「Zhenwu V900」を発表し、2032年までの20GW規模の計算基盤拡張計画も示しました。将来の計画であり、すでに20GWが稼働しているわけではありません。日本企業との接点を考える際には、計画の大きさより、どの設備・部品が必要になるかを分けて見ることが重要です。APの発表報道
注目3社の違い|電気・光・冷却のどこを担うか
| 企業・証券コード | 関係する仕事 | 確認した材料 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| SWCC(5805) | 電力ケーブル、光ファイバー、電力接続部品 | e-Ribbon増産、超電導ケーブルの社会実装に向けた取り組み | 増産・開発計画と実際の売上を分ける |
| タムラ製作所(6768) | トランス、リアクタなど電力変換関連 | 2027年3月期の売上・営業利益予想を上方修正 | AI関連の好調さが会社全体にどれだけ寄与するか |
| 荏原(6361) | 半導体製造向け真空・冷却・研磨関連装置 | マイナス60℃の極低温チラーを初出荷 | 新製品の採用規模と半導体設備投資の波 |
SWCC:光通信と電力供給を両方調べられる
SWCCのe-Ribbonは、高密度の光配線に使うリボン状光ファイバ心線です。2025年9月3日の発表では、約10億円を投資し、生産能力を約3倍に増やす計画を示しました。2026年度の同製品の売上高は、2024年度実績比で約28倍を目指します。
この28倍はe-Ribbonの売上目標であり、SWCC全社の売上や利益が28倍になるという意味ではありません。増産設備の稼働、受注、利益への寄与を順番に確認する必要があります。増産投資の会社発表
電力側ではFaraday Factory Japanと、データセンター向け超電導ケーブルシステムの社会実装に向けた基本合意を締結しています。2030年度までの社会実装を目指す取り組みで、現在の収益と将来の開発テーマは分けて評価したいところです。超電導ケーブルの会社発表
タムラ製作所:AI関連需要が業績予想に表れている
タムラ製作所は8月27日、2027年3月期の連結業績予想を上方修正しました。
| 項目 | 修正前 | 修正後 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,300億円 | 1,450億円 |
| 営業利益 | 56億円 | 65億円 |
背景にはAIデータセンター関連製品の需要に加え、産業機器関連の回復や販売価格改定があります。「AIだけで利益が増える会社」と単純化せず、事業ごとの動きを確認する必要があります。上方修正の報道
第1四半期の営業利益は前年同期比3.7%減でした。通期の上方修正と足元の四半期実績は別の数字です。今後の決算で改善が進んでいるかが重要になります。第1四半期決算短信・決算説明資料
荏原:サーバー冷却ではなく、半導体の製造工程に注目
荏原が8月13日に発表した極低温チラーは、半導体のエッチング装置などの冷却を担う製品です。マイナス60℃に対応し、従来品との比較で電力・水の消費量を約30〜50%削減するとしています。
AIデータセンター内のサーバーを冷やす装置と混同しないことが大切です。この記事で見ているのは、AI半導体を作る工程で必要となる冷却技術です。初出荷は確認できても、採用台数や将来の利益規模まで決まったわけではありません。荏原の製品発表
株価・PER・PBRと高値からの下落率
以下は9月18日時点の比較です。9月23日の新しい終値ではありません。
| 企業 | 終値 | 予想PER | 実績PBR | 年初来高値 | 高値からの下落率 |
|---|---|---|---|---|---|
| SWCC | 13,120円 | 16.90倍 | 3.84倍 | 19,570円 | 約33.0% |
| タムラ製作所 | 822円 | 12.58倍 | 1.01倍 | 1,135円 | 約27.6% |
| 荏原 | 4,323円 | 19.84倍 | 3.71倍 | 6,890円 | 約37.3% |
出典:Yahoo!ファイナンスのSWCC、タムラ製作所、荏原。下落率は「1−終値÷年初来高値」で計算しています。
PERは利益に対して株価が何倍か、PBRは純資産に対して何倍かを見る指標です。タムラの倍率は3社の中で低めですが、それだけで最も割安とは判断できません。利益の持続性や成長への期待が異なるためです。また、高値からの下落率は、そのまま割安度を示す数字ではありません。
9月24日に確認したいポイント
- 海外材料が日本株へどう反映されるか。 連休中のAI関連ニュースを受けた初動と、その後の値動きを分けて見ます。
- 受注・売上・利益のどこまで確認できるか。 SWCCの増産目標、タムラの上方修正、荏原の新製品では、事業進展の段階が異なります。
- 原油・金利が投資への期待を変えないか。 原油安が続けば物価上昇への圧力が和らぐ可能性があります。一方、金利が高い状態が続けば、将来の成長を期待して買われる株には重荷になります。
同日の夕刊ではフジクラとソフトバンクグループの保有株ウォッチも掲載しています。個人的な見方やシナリオはnote版をご覧ください。
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本記事は情報提供を目的とし、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。目標・予想は実現が保証されたものではなく、価格・指標は記載時点の情報です。