【ランキング続編】日本企業TOP10社を深掘り。ぱんだ塾長が「買いたい」と思うのは?
日本企業5つのTOP10ランキングの続編。気になった12社を「稼ぎ方」「成長が続く理由」「配当の余力」で比較。外した6社の理由と、残した6社の位置付けをまとめました。

前回の「日本企業5つのTOP10ランキング」の続編です。
TOP10ランキングと過去5期の業績から選んだ12社を、今回は「稼ぎ方」「成長が続く理由」「配当の余力」で深掘りします。
前回は、日本の上場企業を時価総額や売上高、営業利益、営業利益率、ROEなどで並べてみました。
「日本には、こんなに稼いでいる会社があるんだ」
ランキングだけでも面白かったのですが、過去5期の業績を見ていくうちに、気になる企業が12社残りました。
今回はその続きです。
この中から、自分のポートフォリオに入れたい会社を探すなら?
ぱんだ塾長が重視したいのは、利益が育ち、配当も育つこと。将来の成長を楽しみながら、FIRE後には配当も受け取りたいと思っています。
そこで、数字の順位からもう一歩進んで、会社の中身を調べてみました。
ROEが下がったから、悪い会社?
最初に、今回の調査で勉強になったことがあります。
それは、ROEが下がっていても、利益が増えている会社があるということです。
ROEは、会社が持つ自己資本に対して、どれだけ利益を出したかを見る指標。利益が増えていても、それ以上に自己資本が増えれば、ROEは下がります。
実際、前回調べたZOZOやベイカレントでは、ROEが下がる時期にも純利益は増えていました。
僕は最初、グラフが右肩下がりだと、それだけで候補から外しかけていました。でも、「何の数字が、なぜ下がったのか」まで見ないと、会社の姿を見誤るんですね。
今回は、3つの質問で比べました
指標を増やし続けると、自分でも分からなくなってしまいます。そこで、今回はこの3つです。
- どうやって稼いでいるのか?
- その稼ぎ方は、これからも続きそうか?
- 成長に必要なお金を使った後、配当を出す余裕はあるか?
過去の増益は大切ですが、これからも増えるとは限りません。配当性向が低くても、大きな投資や借入返済があれば、お金をすべて配当に回せるわけでもありません。
この視点で12社を見直し、まず6社を詳しく調べました。
オービック、USS、キーエンス、三井住友FG、ベイカレント、ラクスです。
残り6社を今回は外す理由
残した会社の魅力だけでなく、ほかの6社を今回は外した理由も整理しておきます。
| 会社 | 今回、優先順位を下げた理由 |
|---|---|
| ZOZO | すでに利益の約7割を配当に回している。買収後の現金回復を確認してから、増配余力を評価したい |
| みずほFG | 三井住友FGと僅差。余力不足ではなく、今回は利益成長と配当を結び付ける配当性向40%方針の三井住友FGを優先 |
| 日立 | 成長源は魅力的。ただし事業再編や大型案件があり、事業別の投資回収まで確かめてから判断したい |
| アシックス | 配当余力は評価できる。今回はブランド需要・在庫・値引きの変動より、業務に組み込まれた継続利用を重視 |
| フジクラ | AI需要は強い成長材料。一方、顧客の設備投資と増産負担による利益の振れを重く見た |
| サンリオ | ライセンスの強みと配当余力はある。ただし、人気の拡大が販促費を差し引いた利益にどれほど残るかを確認したい |
この判断は「6社が劣った企業」という意味ではありません。特に日立・アシックスは次点、みずほと三井住友の選択は僅差です。成長の大きさを最優先すれば、顔ぶれは変わります。
今回は僕の「成長と配当を長く楽しみたい」という目的に合わせ、優先して調べる会社を選びました。
残した6社は、どう位置付けた?
詳しく調べた結果、6社の位置付けはこう整理しました。番号は優良企業の順位ではなく、今回の紹介順です。
- オービック:事業・成長・財務のバランスで中心候補
- USS:現在の配当収入を重視する中心候補
- ベイカレント:成長を通じた将来の増配候補
- 三井住友FG:銀行枠として残す
- キーエンス:企業として強いが、現在の配当収入は小さい
- ラクス:大型投資・借入後の財務を確認したい
同じ候補でも、期待する役割や確認したい点は違います。ここから、それぞれの理由を見ていきます。
オービック――成長と配当のバランスが気になる
まず、中心に考えたいのがオービックです。
会社の会計など、日々の業務に使うシステムを提供しています。導入して終わりではなく、その後のクラウド利用や運用・保守も収入につながります。
会社の大切な業務に組み込まれたシステムは、簡単には入れ替えにくい。そこに、使い続けてもらえる理由があると考えました。
もちろん、競合がいないわけではありません。それでも、最新の四半期ではシステムサポートの売上が前年同期より15.5%増えていました。導入後の収入も伸びている点に注目しています。
「今も稼いでいて、その後の収入につながる仕組みもある」
成長と配当を一緒に考える僕にとって、バランスのよい候補です。
ただし、よい会社でも買う値段が高すぎれば、投資の結果は期待どおりにならないかもしれません。会社への評価と、株価への評価は分けて考えたいところです。
USS――今の配当も受け取りたいなら
USSは、中古車オークションを運営する会社です。
売りたい人にとっては、買い手が多い市場が魅力的。買いたい人にとっては、たくさんの車が集まる市場が魅力的です。
人と車が集まること自体が、次の参加者を呼ぶ理由になる。こうした商売の仕組みに面白さを感じました。
今回比べた6社では、会社予想配当を使った利回りが最も高かったのもUSSでした。
ただ、配当だけを見て安心はできません。オークション会場やシステムへの投資も必要ですし、車の流通量が減れば影響を受けます。
今の配当を受け取りながら、先の増配も期待したい。
そんな持ち方を考えるなら、僕はUSSを中心候補に残したいと思います。
ベイカレント――人を増やすだけの成長なのか?
ベイカレントは、企業の経営や業務改革、デジタル化などを支援するコンサルティング会社です。
気になったのは、売上が増える一方、営業利益率が下がっていたことでした。
ただ、詳しく見ると、最新の四半期では案件数が前年同期より21.2%増え、コンサルタント1人当たりの売上も5.9%増えていました。
人数だけを増やして売上を伸ばした、とは言い切れません。
会社は採用や育成などに先行してお金を使っていると説明しています。だからこそ、その投資が次の利益につながるかを見たいと思いました。
今の配当の大きさより、利益が育つことで将来の配当も増える可能性に注目する候補です。
人件費が増えても、それに見合う案件と利益を確保できるか。ここは引き続き確認したいところです。
残る3社は、何が違った?
三井住友FG、キーエンス、ラクスも、それぞれ魅力がありました。ただ、今回の目的では位置付けが違います。
| 会社 | 今回の僕の整理 |
|---|---|
| 三井住友FG | 銀行を持つなら引き続き候補。利益の成長を配当につなげる方針に注目。ただし金利や景気の影響も考える |
| キーエンス | 高い利益率と財務の強さは魅力。ただ、現在受け取れる配当は小さく、今回の配当目的では優先順位を下げる |
| ラクス | 本業は成長しているが、大きな株式投資と借入を決めたところ。投資後のお金の余裕を確認したい |
ラクスでは、事業の売却益で純利益が大きく増えている点にも注意が必要でした。その利益が来年も繰り返されるわけではありません。
「利益が急増した」「PERが低い」という表面だけでは、判断しにくい例です。
100万円なら、今の配当はどれくらい?
僕にとってイメージしやすかったのが、この比較です。
各社に100万円相当を投じたと仮定し、会社予想の年間配当で計算しました。
| 会社 | 年間配当の目安・税引前 |
|---|---|
| USS | 約29,300円 |
| 三井住友FG | 約25,600円 |
| オービック | 約18,500円 |
| ベイカレント | 約16,900円 |
| ラクス | 約7,300円 |
| キーエンス | 約7,200円 |
※2026年9月14日の終値と、その時点の会社予想配当で計算。比較のため端数株も含めており、100万円ぴったり購入できるという意味ではありません。税・手数料は考慮していません。配当予想は変更される可能性があります。
こうして見ると、「強い会社」と「今たくさん配当を受け取れる会社」は、同じではないと分かります。
もちろん、この表は今の予想配当です。これからの増配まで含めて考えると、また見え方が変わります。
で、ぱんだ塾長なら、どれを買いたい?
ここまで調べた僕の答えは、こうです。
成長と配当のバランスなら、オービック。
今の配当収入を重視するなら、USS。
成長を通じた将来の増配を狙うなら、ベイカレント。
そして、銀行を組み入れるなら三井住友FGも残しておきたいと思います。
ただし、今回の結論は、購入を決めたということではありません。
ランキングから出発して、「なぜこの会社を持ちたいのか」を少し説明できるようになった、という段階です。
最初は「最も優良な企業はどこだろう?」と考えていました。でも調べてみると、自分が今の配当を重視するのか、将来の成長を重視するのかで、選び方は変わりました。
僕はまず、オービックとUSSを中心に考えたい。そのうえで、成長枠のベイカレント、銀行枠の三井住友FGをどう組み合わせるか。
次は、この候補について**「よい会社なのは分かった。では、自分はいくらなら買いたいのか?」**を考えてみたいと思います。
調査に使った主な資料
本記事の企業評価は、ぱんだ塾長の「成長と配当を重視する」という目的に沿った見方です。数値は以下の会社資料と公開株価をもとに確認しました。