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日本で一番大きい会社は? 日本企業を5つのTOP10で比べてみた【2026年9月版】

時価総額・売上・利益・利益率・ROEのTOP10から、29社の過去5期へ。ROEが下がっても成長していた会社など、数字を比べて見えた発見をまとめました。

日本株ランキング利益成長ROE配当
日本で一番大きい会社は? 日本企業5つのTOP10。2026年9月版。時価総額・売上・利益・利益率・ROE。右下に眼鏡をかけたぱんだ塾長。
日本で一番大きい会社は? 日本企業を5つのTOP10で比べてみた【2026年9月版】 / 株の夕刊

続編を公開しました。

この記事で選んだ12社を、稼ぎ方・成長・配当の余力でさらに比較しました。 続編を読む:12社を深掘り。ぱんだ塾長が「買いたい」と思うのは?

こんにちは、ぱんだ塾長です。

トヨタ、ソニー、NTT、三菱商事。

名前は知っている。何をしている会社なのかも、なんとなく分かる。

でも、「どの会社が、どれくらい大きいのか」と聞かれると、意外と答えられない。僕自身、そうでした。

日本の大企業といえばトヨタ、というイメージはある。では、銀行や商社と比べるとどうなのか。売上が大きい会社は、利益も一番大きいのか。

気になったので、日本の上場企業を5つの指標で並べてみました。

  • 時価総額:株式市場が評価する大きさ
  • 売上高:事業の規模
  • 営業利益:事業で稼ぐ利益の額
  • 営業利益率:売上から利益を残す力
  • ROE:自己資本を使って稼ぐ効率

同じ日本企業でも、見る指標を変えると、上位に並ぶ顔ぶれがかなり変わります。

今回は、この違いを眺めたあと、上位企業の過去5期も振り返ってみました。すると、ランキングの数字だけでは分からない発見がありました。最後に、次の記事で深掘りしたい12社を紹介します。

ランキングを見る前に、少しだけ

データは2026年9月14日未明に取得した、TradingViewの日本株スクリーナーの表示値です。金額は概数で、株価の変化や決算の更新によって順位も変わります。

売上高・営業利益・営業利益率は、最新の年度決算1年分。ROEは、最新の四半期決算までの直近12か月分です。同じ「1年間」でも集計する時期が異なります。

また、営業利益率とROEは、時価総額3,000億円以上の企業に限定しました。小型企業を除いて、ある程度規模のある会社同士を見るためです。ただし、この条件だけで一時的な利益の影響まで消せるわけではありません。

1.時価総額TOP10――株式市場では、どの会社が大きい?

最初は時価総額です。

基本的には「株価×発行済株式数」で計算され、株式市場で会社全体がどれくらいの価値と評価されているかを表します。会社の売上や、手元にある現金の額とは違います。

名前の知名度と、時価総額の大きさは違うTradingView取得時表示/2026年9月14日。数値の一覧は下表。
三菱UFJ FG
40.94兆円
ソフトバンクG
37.33兆円
トヨタ
35.89兆円
キオクシアHD
29.63兆円
三井住友FG
26.20兆円
日立
23.51兆円
東京エレクトロン
23.39兆円
アドバンテスト
22.13兆円
ソニーG
21.52兆円
みずほFG
21.10兆円
順位企業名コード時価総額(約・兆円)
1三菱UFJフィナンシャル・グループ830640.94
2ソフトバンクグループ998437.33
3トヨタ自動車720335.89
4キオクシアホールディングス285A29.63
5三井住友フィナンシャルグループ831626.20
6日立製作所650123.51
7東京エレクトロン803523.39
8アドバンテスト685722.13
9ソニーグループ675821.52
10みずほフィナンシャルグループ841121.10

今回の取得結果では、1位は三菱UFJフィナンシャル・グループの約40.94兆円。2位にソフトバンクグループ、3位にトヨタ自動車が続きました。

ここだけでも、「日本で一番大きい会社は?」という問いに、何を基準に答えるかが大事だと分かります。

もう一つ目に留まるのは、キオクシア、東京エレクトロン、アドバンテストの名前です。日常生活で商品や看板を見かける機会の多さと、時価総額の大きさは一致しません。

なお、2位のソフトバンクグループ(9984)と、後で登場するソフトバンク(9434)は、別の上場会社です。名前が似ているので、コードも添えました。

2.売上高TOP10――1年間に、どれほどの売上を生んでいる?

次は売上高です。

こちらは株式市場の評価ではなく、会社が1年間に生み出した売上の大きさを見ます。

順位企業名コード年間売上高(約・兆円)
1トヨタ自動車720350.68
2本田技研工業726721.80
3三菱商事805818.92
4伊藤忠商事800114.82
5NTT943214.41
6三井物産803114.00
7三菱UFJフィナンシャル・グループ†830613.26
8ソニーグループ675812.48
9日産自動車720112.01
10ENEOSホールディングス502011.77

トヨタの年間売上高は、表示上で約50.68兆円。2位のホンダが約21.80兆円なので、2倍以上の規模です。

3位の三菱商事、4位の伊藤忠商事、6位の三井物産と、商社も上位に並びます。

時価総額ランキングと見比べると、顔ぶれが変わりました。トヨタは時価総額では3位でしたが、売上高では1位。反対に、時価総額で2位だったソフトバンクグループは、この売上高TOP10には入っていません。

ソフトバンクグループは投資を柱とする会社です。投資先の売却益や、保有する投資の値上がり・値下がりは「投資損益」に表れるため、売上高だけでは稼ぎ方や規模を捉えきれません。同社の有価証券報告書

「たくさん売っている会社」と「株式市場で高く評価されている会社」は、同じ順位にはならない。

当たり前のようですが、実際の企業名で並べると、その違いが見えてきます。

†銀行の「売上高」は、一般企業の売上高と会計上の意味が異なります。また、商社などでも総額・純額の計上方法が事業によって異なるため、単純に取引量の順位とはいえません。この表はTradingViewの売上高欄による順位です。

3.営業利益TOP10――売上のうち、どれほど利益を稼いだ?

売上が大きくても、費用がたくさんかかれば、利益はあまり残りません。

一般企業の営業利益は、売上から売上原価や販売費・管理費などを差し引いた利益です。売上高と一緒に見ると、事業の規模に加えて、稼いだ利益の額も分かります。

ただし、金融業では利益の定義が異なります。以下はTradingViewの「営業利益」欄をそのまま並べた参考表です。

順位企業名コード営業利益欄(約・億円)
1トヨタ自動車720337,700
2三菱UFJフィナンシャル・グループ†830627,100
3三井住友フィナンシャルグループ†831623,700
4NTT※943219,300
5みずほフィナンシャルグループ†841116,200
6ソニーグループ675815,500
7日立製作所650112,000
8KDDI943310,600
9ソフトバンク94349,999
10INPEX16059,987

トヨタは、ここでも1位。表示額は約3兆7,700億円です。売上の大きさだけでなく、利益の額でも存在感があります。

一方、NTT、KDDI、ソフトバンクといった企業も上位に登場します。時価総額TOP10には入らなくても、大きな利益を稼ぐ会社があることが分かります。

ここは、データを確かめてみて気づいた点もありました。

※NTTのTradingView表示は約1兆9,300億円ですが、公式の2026年3月期決算に記載された営業利益は約1兆7,062億円でした。差の原因は今回の調査では確定できていません。この表では取得した表示順位を残していますが、NTTの決算実績として引用する数字は公式IRの値です。NTT決算短信

†銀行の数字についても、一般企業と同じ営業利益として読むことはできません。「数字が並んでいるから、そのまま比較できる」とは限らない点には注意が必要です。

4.営業利益率TOP10――大きく売る会社と、利益を残す会社

ここまでは、金額の大きさを見てきました。

次は割合です。営業利益率は、一般企業なら「営業利益÷売上高×100」で計算します。売上100円に対して営業利益が10円なら、営業利益率は10%です。

対象は時価総額3,000億円以上。金融業には一般企業と異なる定義が含まれるため、ここでもTradingView表示の参考順位として見てください。

順位企業名コード営業利益率欄(通期・%)
1全国保証†716470.45
2メタプラネット335065.92
3オービック468465.69
4日本取引所グループ†869757.68
5ユー・エス・エス473252.57
6楽天銀行†583851.87
7キーエンス686150.95
8INPEX160549.65
9SBIホールディングス†847349.56
10松井証券†862848.36

時価総額や売上高とは、かなり違う顔ぶれになりました。

オービック、ユー・エス・エス、キーエンスなどが上位に並んでいます。売上高TOP10に入っていなくても、利益率で見ると上位に来る会社があります。

例えば、売上10兆円・利益率5%の会社なら、営業利益は5,000億円。売上1兆円・利益率50%の会社も、営業利益は5,000億円です。

同じ利益額でも、稼ぎ方は違います。大きな売上を積み重ねて稼ぐ会社もあれば、売上に対して高い割合の利益を残す会社もあるわけです。

ただし、この表を「100円売れば70円もうかる会社ランキング」と読むのは正確ではありません。†を付けた金融関連企業では収益・費用の扱いが一般企業と異なります。また、一時的な利益などを一律に除いた順位でもありません。高い数字は、稼ぎ方をもう少し調べるきっかけとして見たいところです。

5.ROE TOP10――自己資本を使って、どれほど稼いだ?

最後はROEです。日本語では「自己資本利益率」といいます。

ざっくり言うと、会社の自己資本に対して、1年間にどれほどの純利益を生んだかを見る指標です。自己資本100円に対して純利益が10円なら、ROEはおおむね10%になります。

自己資本には、株主が出資したお金だけでなく、会社がこれまで蓄積してきた利益なども含まれます。通常は、期間中の平均的な自己資本を使って計算します。

順位企業名コードROE(直近12か月・%)
1キオクシアホールディングス285A87.11
2ラクス392381.30
3アドバンテスト685756.89
4ARCHION543A56.65
5ZOZO309251.83
6アシックス793642.39
7サンリオ813640.80
8パーク24466640.39
9フジクラ580340.20
10ベイカレント653238.58

こちらも時価総額3,000億円以上で比較しています。

キオクシア、ラクス、アドバンテストに続き、ZOZO、アシックス、サンリオなども登場しました。

気をつけたいのは、ROE87%は、株を買えば87%の利益が得られるという意味ではないことです。会社の自己資本に対する利益の割合であって、投資家の運用利回りではありません。

また、純利益が増えればROEは上がりますが、分母の自己資本が小さくなることでも上がります。一時的な利益、借入への依存、自己株式の取得などの影響もあるため、高い順に「優秀な会社」と決められるわけではありません。

期間の違いも大切です。キオクシアの上表のROEは、直近12か月で87.11%。一方、2026年3月期の公式決算にある通期ROEは51.9%でした。両者は対象期間が異なる数字で、今回、同一算式による完全な一致検証まではしていません。キオクシア決算短信

6.今の順位だけでは、成長は分からない

ここまででも面白いのですが、僕が気になったのは、その先です。

「利益率が高い。ROEも高い。それなら、買いたい会社なのか?」

僕なら、利益をしっかり稼いでいて、これからの成長も期待できて、配当も受け取りたい。FIREした後も持つことを考えるなら、一度だけ大きくもうかった会社より、利益と配当が育っていく会社に魅力を感じます。

そこで、営業利益・営業利益率・ROEの各TOP10に入った29社(重複を除く)を対象に、公式IRで過去5期の実績を調べました。 最初のランキングはTradingViewの表示、ここからは決算短信・有価証券報告書などの会社開示です。ARCHIONのように同じ会社として5期分が存在しない場合は、比較できないことも記録しました。

5期とは5つの年度の実績です。原則は2022年3月期〜2026年3月期で、12月決算は2021〜2025年、ベイカレントは2022〜2026年2月期、パーク24は2021〜2025年10月期。5つの数字を並べるので、前年比の比較は4回あります。

営業利益TOP10の会社は、毎期増えていた?

金額は億円です。銀行3社は経常利益、日立は調整後営業利益を追っています。線の縦軸は各社に合わせているので、会社同士の規模は数字で比べてください。カードの金額は整数に丸め、一覧表には小数第1位まで残しました。ソニーやINPEXなど、途中で事業範囲・会計基準が変わる場合は解説もあわせてご覧ください。

トヨタ自動車 7203

営業利益/億円・FY

53,52927,25020222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
29,95727,25053,52947,95637,662

5期のうち増益は1回。2024年3月期のピークから2期連続減益。

三菱UFJフィナンシャル・グループ 8306

経常利益/億円・FY

34,10210,20720222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
15,37610,20721,28026,69534,102

銀行のため経常利益で追跡。2022年3月期は十億円単位公表値から換算。2023年3月期に減益後、3期連続増益。

三井住友フィナンシャルグループ 8316

経常利益/億円・FY

23,03410,40620222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
10,40611,60914,66117,19523,034

銀行のため経常利益で追跡。データブックp.2、十億円単位公表値から換算。5期を通じて増加。連結業務純益も1152.9→1276.4→1560.2→1719.3→2330.9十億円と増加。

NTT 9432

営業利益/億円・FY

19,22916,49620222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
17,68618,29019,22916,49617,062

公式ハイライトの億円単位を百万円換算。最初の期比では微減。2025年3月期に減少し直近は回復。

みずほフィナンシャルグループ 8411

経常利益/億円・FY

15,7325,59820222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
5,5987,8969,14011,68115,732

銀行のため経常利益で追跡。5期を通じて増加。

ソニーグループ 6758

営業利益(途中から継続事業)/億円・FY

14,47510,35320222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
12,02313,02410,35312,76614,475

最新有報p.1。2024年3月期以降は金融事業を除く継続事業へ再表示、前2期は金融事業を含むため5期を同条件では比較できない。継続事業の直近3期は増益。

日立製作所 6501

調整後営業利益/億円・FY

11,9937,38220222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
7,3827,4817,5589,71611,993

会社の調整後営業利益を同一定義で比較。5期を通じて増加。事業売却など連結範囲の変化を含み、同一事業だけの成長率ではない。

KDDI 9433

営業利益/億円・FY

10,9919,12020222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
10,60610,4539,12010,87510,991

最新公式ハイライトの再表示後の数値。2024年3月期を底に回復、最初の期との比較では小幅増。

ソフトバンク 9434

営業利益/億円・FY

10,6028,76120222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
9,65610,6028,7619,89010,426

共通支配下取引の会計処理変更を遡及適用した公式5期表。2023年3月期の一時的な利益の影響もあり、毎年増益ではない。

INPEX 1605

営業利益(会計基準変更あり)/億円・FY

12,7185,90720212025
2021
12月期
2022
12月期
2023
12月期
2024
12月期
2025
12月期
5,90712,46411,14212,71811,354

2021・2022年は日本基準、2023年以降はIFRS。厳密な5期成長率は算出しない。利益額は資源価格・為替でも大きく変動。

10社をまとめて比較する(5期の一覧表)

スマートフォンでは、表を横にスクロールできます。

企業(コード)/指標2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期読み取り
トヨタ自動車(7203)/営業利益29,957.027,250.253,529.347,955.937,662.25期のうち増益は1回。2024年3月期のピークから2期連続減益。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)/経常利益15,376.010,207.321,279.626,694.834,101.9銀行のため経常利益で追跡。2022年3月期は十億円単位公表値から換算。2023年3月期に減益後、3期連続増益。
三井住友フィナンシャルグループ(8316)/経常利益10,406.011,609.014,661.017,195.023,034.0銀行のため経常利益で追跡。データブックp.2、十億円単位公表値から換算。5期を通じて増加。連結業務純益も1152.9→1276.4→1560.2→1719.3→2330.9十億円と増加。
NTT(9432)/営業利益17,686.018,290.019,229.016,496.017,062.0公式ハイライトの億円単位を百万円換算。最初の期比では微減。2025年3月期に減少し直近は回復。
みずほフィナンシャルグループ(8411)/経常利益5,598.57,896.19,140.511,681.415,731.6銀行のため経常利益で追跡。5期を通じて増加。
ソニーグループ(6758)/営業利益(途中から継続事業)12,023.413,023.910,352.512,766.414,475.1最新有報p.1。2024年3月期以降は金融事業を除く継続事業へ再表示、前2期は金融事業を含むため5期を同条件では比較できない。継続事業の直近3期は増益。
日立製作所(6501)/調整後営業利益7,382.47,481.47,558.29,716.111,992.8会社の調整後営業利益を同一定義で比較。5期を通じて増加。事業売却など連結範囲の変化を含み、同一事業だけの成長率ではない。
KDDI(9433)/営業利益10,605.910,453.59,120.310,874.710,991.2最新公式ハイライトの再表示後の数値。2024年3月期を底に回復、最初の期との比較では小幅増。
ソフトバンク(9434)/営業利益9,655.510,601.78,760.79,890.210,425.8共通支配下取引の会計処理変更を遡及適用した公式5期表。2023年3月期の一時的な利益の影響もあり、毎年増益ではない。

INPEXは12月決算のため、分けて示します。

企業/営業利益・億円2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期
INPEX(1605)5,906.612,464.111,141.912,717.911,354.4

2021・2022年は日本基準、2023年以降はIFRS。厳密な5期成長率は算出しない。利益額は資源価格・為替でも大きく変動。

トヨタはこの5期では、2024年3月期が山でした。一方、日立の調整後営業利益、三井住友FG・みずほFGの経常利益は毎期増加しています。NTTは5期の最初と最後を比べると、ほぼ横ばいでした。

利益額が大きいことと、利益が伸び続けていることは別。 ランキングの上位に入るほどの会社でも、伸び方は違います。

なお、ソニーは金融事業分離に伴い比較する事業の範囲が変わっています。直近3期の継続事業は増益ですが、5期全体を一本の成長率にして評価するのは避けました。

営業利益率TOP10の5期推移

元のランキングに入った10社を、同じ順番で並べました。グラフも表も、公式IRで確認した通期(FY)の値です。上のTradingView表示とは、定義や対象期間の違いなどで数値が異なる場合があります。

線は各社の変化を見るため、縦軸の目盛りを会社ごとに変えています。高さや傾きだけで会社同士を比べず、%の数字もご覧ください。楽天銀行とSBIは、営業利益率の代わりに追跡した指標を明記しました。

全国保証 7164

営業利益率/%・FY

80.8%70.5%20222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
80.879.375.773.770.5

利益率は高水準だが低下が続く。2022年3月期は単体、2023年3月期以降は連結で比較範囲に差がある。

営業利益(億円・古い順)
394.7 → 398.8 → 391.0 → 419.7 → 413.8

メタプラネット 3350

営業利益率/%・FY

70.6%-275.1%20212025
2021
12月期
2022
12月期
2023
12月期
2024
12月期
2025
12月期
-275.1-234.4-179.333.070.6

2021~2023年は営業赤字、2024年以降黒字。2024年にビットコイン事業へ転換しており、同一事業の安定成長とは評価しない。旧3期の利益率は百万円単位の公表値から概算。

営業利益(億円・古い順)
-14.2 → -8.6 → -4.7 → 3.5 → 62.9

オービック 4684

営業利益率/%・FY

65.7%60.5%20222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
60.562.463.564.665.7

売上高・営業利益がともに5期を通じて増加し、利益率も改善。

営業利益(億円・古い順)
541.4 → 624.9 → 709.1 → 783.8 → 888.2

日本取引所グループ 8697

営業利益率/%・FY

58.5%50.9%20222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
54.350.957.255.658.5

利益率は変動しながら高水準。営業利益は2023年3月期に減少後、3期連続増加。

営業利益(億円・古い順)
734.7 → 682.5 → 874.4 → 901.2 → 1,162.9

USS 4732

営業利益率/%・FY

52.6%49.3%20222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
51.049.350.152.152.6

売上高・営業利益は5期を通じて増加。利益率は一度下がった後3期連続改善。

営業利益(億円・古い順)
415.7 → 437.8 → 489.4 → 542.1 → 598.5

楽天銀行 5838

経常利益÷経常収益(参考)/%・FY

40.3%26.3%20222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
26.332.135.038.840.3

銀行のため経常利益÷経常収益を参考表示。一般企業の営業利益率とは別指標。2023年3月期以降は公式サイトの億円単位から換算。収益・利益とも増加。

経常利益(億円・古い順)
279.1 → 387.0 → 483.0 → 715.0 → 1,030.0

キーエンス 6861

営業利益率/%・FY

55.4%51.0%20222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
55.454.151.251.951.0

営業利益率は50%台を維持するが最初の期より低下。直近は利益額が増えても利益率は低下。

INPEX 1605

営業利益率/%・FY

56.5%47.5%20212025
2021
12月期
2022
12月期
2023
12月期
2024
12月期
2025
12月期
47.553.651.556.156.5

2021・2022年は日本基準、2023年以降はIFRS。厳密な5期成長率は算出しない。利益額は資源価格・為替でも大きく変動。

営業利益(会計基準変更あり)(億円・古い順)
5,906.6 → 12,464.1 → 11,141.9 → 12,717.9 → 11,354.4

SBIホールディングス 8473

税引前利益÷収益(参考)/%・FY

54.0%10.7%20222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
54.010.711.719.627.2

営業利益を開示しないため税引前利益÷収益を参考表示。2022年3月期の利益には多額の非現金損益を含む。IFRS17適用前後の差もあり5期成長率は算出しない。

税引前利益(億円・古い順)
4,127.2 → 1,021.4 → 1,415.7 → 2,822.9 → 5,166.7

松井証券 8628

営業利益÷営業収益/%・FY

44.6%38.3%20222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
42.038.341.239.944.6

営業収益の表示方法変更を過去に遡った最新有報の分母で再計算。営業利益は2023年3月期に減少後、3期連続増加。

営業利益(億円・古い順)
127.7 → 113.5 → 151.7 → 156.4 → 234.6

ROE TOP10の5期推移

こちらも公式IRの通期実績です。最初のランキングのROEはTTMでしたが、ここでは年度ごとのROEを並べています。ROEの下に純利益も添えたので、「割合が下がった」と「利益が減った」を分けて見られます。ARCHIONは新設のため、5期の比較ができません。

キオクシアHD 285A

ROE(通期)/%・FY

51.9%-44.0%20222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
14.3-19.0-44.045.951.9

2期の赤字を経て急回復。高ROEが5期続いていた会社ではない。

純利益(億円・古い順)
1,059.2 → -1,381.4 → -2,437.3 → 2,723.2 → 5,544.9

ラクス 3923

ROE(通期)/%・FY

55.4%13.1%20222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
13.114.036.645.355.4

売上高・純利益・ROEが5期を通じて増加。低い利益水準だった最初の期との比較では伸び率が大きくなる。

純利益(億円・古い順)
10.8 → 12.7 → 41.9 → 80.0 → 132.9

アドバンテスト 6857

ROE(通期)/%・FY

57.6%15.6%20222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
30.439.315.634.457.6

2024年3月期に減収減益・ROE低下、その後急拡大。毎年一定ペースで成長したわけではない。

純利益(億円・古い順)
873.0 → 1,304.0 → 622.9 → 1,611.8 → 3,753.5

ARCHION 543A

ROE(通期)/%・FY

同一企業の5期実績なし

2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
—————

2026年4月発足の新グループ。同一企業の5期分の連結実績は存在しない。前身企業の実績を継ぎ足さず比較対象外とする。

ZOZO 3092

ROE(通期)/%・FY

62.5%46.6%20222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
62.560.155.049.446.6

ROEは毎期低下しているが売上高・純利益は毎期増加。自己資本の増加も見ると、ROE低下だけで業績悪化とはいえない。

純利益(億円・古い順)
344.9 → 395.3 → 443.4 → 453.5 → 479.3

アシックス 7936

ROE(通期)/%・FY

39.1%6.9%20212025
2021
12月期
2022
12月期
2023
12月期
2024
12月期
2025
12月期
6.912.618.829.139.1

ROE、売上高、純利益がいずれも5期を通じて増加。純資産も増加。2022年から収益認識基準適用。

純利益(億円・古い順)
94.0 → 198.9 → 352.7 → 638.1 → 987.2

サンリオ 8136

ROE(通期)/%・FY

48.6%8.5%20222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
8.516.429.248.641.6

売上高・純利益は毎期増加。直近ROEは低下したが純利益は増え、純資産も拡大している。

純利益(億円・古い順)
34.2 → 81.6 → 175.8 → 417.3 → 546.1

パーク24 4666

ROE(通期)/%・FY

35.7%-49.2%20212025
2021
10月期
2022
10月期
2023
10月期
2024
10月期
2025
10月期
-49.28.835.727.318.1

赤字から回復後、直近は純利益・ROEが低下。売上高は増え続けている。2022年10月期から収益認識基準適用。

純利益(億円・古い順)
-116.6 → 24.8 → 175.4 → 186.2 → 159.2

フジクラ 5803

ROE(通期)/%・FY

32.5%16.7%20222026
2022
3月期
2023
3月期
2024
3月期
2025
3月期
2026
3月期
20.416.716.724.432.5

純利益は毎期増加。ROEはいったん低下後に上昇。売上高は2024年3月期に小幅減少したため、すべての指標が毎期増加したわけではない。

純利益(億円・古い順)
391.0 → 408.9 → 510.1 → 911.2 → 1,571.6

ベイカレント 6532

ROE(通期)/%・FY

44.2%35.8%20222026
2022
2月期
2023
2月期
2024
2月期
2025
2月期
2026
2月期
43.344.238.636.535.8

売上収益・純利益は毎期増加。ROEは2023年2月期をピークに低下。IFRSで統一した会社開示5期表を採用。2024年2月期以前は単体、以後は持株会社化に伴う連結。

純利益(億円・古い順)
155.4 → 219.1 → 253.8 → 307.6 → 378.4

7.ROEが下がった会社を、外しかけた

今回、いちばん勉強になったのがここでした。

最初は、グラフが右肩下がりの会社を候補から外そうと考えました。でも、ZOZOとベイカレントをよく見ると、ROEが下がっている期間でも、純利益は毎期増えていたんです。

ZOZO:ROEと純利益を並べる

ROEの推移公式IR・通期。横棒はゼロを起点とした割合。
2022年3月期
62.50%
2023年3月期
60.10%
2024年3月期
55.00%
2025年3月期
49.40%
2026年3月期
46.60%
純利益の推移公式IR・通期。ROEとは単位・目盛りが異なります。
2022年3月期
344.92億円
2023年3月期
395.26億円
2024年3月期
443.41億円
2025年3月期
453.46億円
2026年3月期
479.26億円

ベイカレント:ROEと純利益を並べる

ROEの推移公式IR・通期。横棒はゼロを起点とした割合。
2022年2月期
43.30%
2023年2月期
44.20%
2024年2月期
38.60%
2025年2月期
36.50%
2026年2月期
35.80%
純利益の推移公式IR・通期。ROEとは単位・目盛りが異なります。
2022年2月期
155.44億円
2023年2月期
219.10億円
2024年2月期
253.82億円
2025年2月期
307.60億円
2026年2月期
378.40億円

ベイカレントは2024年2月期以前が単体、その後が持株会社化に伴う連結です。会社が示すIFRSの5期推移を用いています。

ROEは「純利益÷自己資本」が基本です。利益が増えていても、自己資本がそれ以上に増えれば、ROEは下がります。

例えば、純利益10・自己資本50ならROEは20%。翌年に純利益12・自己資本80になるとROEは15%です。利益は20%増えたのに、ROEは下がりました。これは仕組みを説明するための仮の数字です。

もちろん、ROEの低下を何でも良しとするわけではありません。積み上がった資金をどう使うのかも見たい。ただ、ROEの線が下がっているだけで「業績が悪くなった」と判断すると、成長企業を見落とすことが分かりました。

反対に、キオクシアは通期の純利益が黒字→赤字→赤字→黒字→黒字と推移していました。現在の高ROEだけを見ても、過去の波は見えません。

8.29社から、次に調べたい12社へ

ここからは「どんな会社を持ちたいか」という、僕の関心も入ります。

重視したのは、利益の成長が続いていること、高い利益率やROEに中身があること、そして配当を無理なく続けられそうか、という点です。配当額だけでなく、利益の何割を配当に使っているかや、本業で現金を生み出せているかも一部確認しました。営業CF(キャッシュフロー)は、本業で入ったお金から出たお金を引いたものです。

ただし、全社を同じ点数で採点して機械的に合否を決めたわけではありません。資料の確認範囲にも差があるため、今回は「次の記事で比較を深めたい12社」とします。12社すべてが高配当という意味でも、今の株価で買うと決めたわけでもありません。

企業コード次の調査に残した理由
USS4732売上・営業利益・純利益が毎期増加。高い利益率と増配実績。
オービック4684売上と利益が毎期増加し、利益率も改善。厚い自己資本も確認。
ZOZO3092ROEは低下しても売上・利益が毎期増加。配当も増えている。
ベイカレント6532売上収益・純利益・営業CFが毎期増加。増配実績も確認。
三井住友フィナンシャルグループ8316経常利益・純利益が毎期増加。配当方針と資本の余力をさらに確認したい。
みずほフィナンシャルグループ8411経常利益と配当が毎期増加。利益成長と還元のバランスに注目。
日立製作所6501調整後営業利益が毎期増加。事業の入れ替えを含む成長の中身を見たい。
キーエンス6861利益率は低下しても50%台。利益額と現金創出力をあわせて評価したい。
アシックス7936売上・純利益・ROEが毎期上昇。成長と増配がどこまで続くか。
フジクラ5803純利益・営業CFが毎期増加。売上の波や需要の持続性を確認したい。
ラクス3923売上・純利益・ROEが毎期増加。今後は事業売却の一時利益を分けて見る。
サンリオ8136売上・純利益・営業CFが毎期増加。直近のROE低下だけで外さない。

残り17社は、何が違ったのか

「優良企業ではなかった」という話ではありません。今回は、利益の継続的な成長と将来の配当という観点から、調べる順番を後にしました。

今回の保留理由企業12社と比べて、追加確認したいこと
5期全体の利益成長が小さいNTT、KDDI、ソフトバンク(9434)、全国保証成熟した事業の安定性は魅力でも、今回重視した利益の伸びは控えめ。
利益の波・直近の減益があるトヨタ、INPEX、キオクシア、パーク24、アドバンテスト景気・資源価格・需要の波と、今後の成長を分けて考えたい。
同じ事業・会計条件で5期を比べにくいメタプラネット、SBI、ソニー、ARCHION事業転換・一時利益・会計や連結範囲の変更・新設などを整理したい。
配当を受け取る目的との相性を再確認楽天銀行、松井証券、日本取引所グループ楽天銀行は当面無配方針。松井証券は利益に対する配当負担、JPXは配当の変動を確認したい。
銀行の資本と還元を追加確認三菱UFJ FG増益・増配は魅力。資本の目標との距離も踏まえ、今回は三井住友・みずほを先に調べる。

三菱UFJについては、2026年3月末の会社管理ベースのCET1比率が9.2%、会社の目標レンジが9.5〜10.5%でした。これは特定の調整をした会社管理指標で、規制上の自己資本不足を意味しません。銀行3社の優劣が確定したわけでもありません。会社の決算説明資料(8ページ)

また、配当が毎期増えていないだけで、投資先として不適格になるわけではありません。成長への再投資を優先する会社や、安定収入を重視する人に合う成熟企業もあります。選ぶ目的が変われば、残る顔ぶれも変わります。

9.この12社は、別の記事で深掘りします!

「日本で一番大きい会社はどこ?」から始めたら、ランキングだけでは分からないところまで気になってしまいました。

規模が大きいこと。利益が多いこと。利益率が高いこと。成長していること。そして、株主に配当を出し続けられること。それぞれ、見ているものが違うんですね。

次は、この12社について、何で稼いでいるのか、その成長が続きそうか、配当を増やす余力があるか、そして今の株価で買いたいかを、もう一段深く比べたいと思います。

例えば、USSは直近の営業CF+投資CFと配当支払額が近く、ZOZOは買収支出の影響で、その合計が配当支払額を下回っていました。利益が伸びていても、お金の使い道まで見る必要があります。残した会社にも、確認したい点はあります。

PERも「有名な指標だけど、どこまで意味があるのか?」と気になりました。40倍でも買われる会社があるなかで、どう使えばよいのか。この話も、また別の機会に。

今回残した12社は、別の記事でさらに深掘りしていきます!


データ・出典について

ランキングはTradingView日本株スクリーナーの2026年9月14日未明取得の公開画面を基に作成。日本銀行出資証券・REITを除外しています。時価総額は取得時表示で、価格の更新時刻は未取得。売上高・営業利益・営業利益率はFY(最新通期)、ROEはTTM(直近12か月)です。決算期は会社によって異なります。ランキング全件を同じ定義でIR照合したものではありません。

5期推移は下記の公式開示で確認しました。会計基準・事業範囲が変わる企業は本文に注記し、比較不能な期間を無理に成長率にしていません。金額は丸めています。12社は調査を続ける候補であり、現在の配当利回り・株価評価までそろえて選んだ購入推奨リストではありません。

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