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アメリカ企業は本当に桁違い? 日本企業 vs 米国企業をTOP10で比べてみた【2026年9月版】

日本企業と米国企業の時価総額・売上高・営業利益TOP10を、最新通期決算と2026年9月25日の市場データで比較。トヨタとMicrosoftの売上・利益の差から、企業の稼ぎ方を初心者向けに解説します。

日本株米国株企業ランキング営業利益時価総額
日本と米国の企業ランキングを比較するサムネイル。東京とニューヨークの街並み、中央にVS、見出しは「アメリカ企業は本当に桁違い?」。2026年9月版。
アメリカ企業は本当に桁違い? 日本企業 vs 米国企業をTOP10で比べてみた【2026年9月版】 / 株の夕刊

アメリカ企業は本当に桁違い? 日本企業 vs 米国企業をTOP10で比べてみた【2026年9月版】

🐼 ぱんだ塾長です。

前回は、日本企業を5つのランキングで比べてみました。

前回:日本で一番大きい会社は? 日本企業を5つのTOP10で比べてみた

そこで気になったのが、アメリカです。

NVIDIA。Microsoft。Apple。

ニュースでは、とんでもなく大きな金額を見かけます。でも、トヨタだって世界中で車を売っています。

「アメリカ企業って、本当にそんなにすごいの?」

今回は、時価総額・売上高・営業利益のTOP10を並べてみました。

見えてきたのは、会社の大きさには、違うものさしがあるということです。

売上では思ったほど遠くない。ところが、利益を見ると景色が変わる。そして株式市場の評価を見ると、さらに差が広がる。

ただし、これはすべての日本企業と米国企業に当てはまる話ではありません。どの会社と、何を比べるかが大切でした。

数字を見る前に、今回のルール

基準日は2026年9月26日。米国企業の円換算は、すべて1ドル=158.10円でそろえます。

日本銀行が公表した9月25日17時のドル円158.09〜158.11円の中間です。大きさを比べるための換算で、各社の決算で使った平均為替レートではありません。日本銀行

  • 時価総額は、日米とも9月25日の通常取引終了後に取得したTradingViewの表示値です。日本は15時30分、米国は16時(米東部時間)の市場なので、同時刻の比較ではありません。
  • 売上高・営業利益は、基準日までに発表された最新の通期実績。TTM(直近4四半期の合計)や今期予想は混ぜません。通期でも決算月は異なるため、表に対象期を付けています。
  • 日米の上場企業が対象。米国市場に上場する外国企業のADRは含めず、同じ会社の複数種類の株式も二重に数えません。SpaceXは今回の指定に沿って対象外です。
  • 営業利益は、連結決算にその項目がある会社で比較します。銀行の経常利益、税引前利益、調整後利益で空欄を埋めません。

時価総額はTradingViewの公開スクリーナーに表示された9月25日時点の値を使い、読みやすく丸めています。米国企業の円換算と順位の目安も、この表示値をもとにした概算です。

① 時価総額TOP10。まずは、株式市場の評価から

時価総額は、ざっくり言えば、株式市場がその会社の株式全体に付けている値段です。

年間売上や、会社が持っている現金の額ではありません。

順位日本企業時価総額米国企業時価総額(ドル/円)
1MUFG(8306)39.95兆円NVIDIA(NVDA)5.42兆ドル/856.90兆円
2ソフトバンクグループ(9984)36.26兆円Apple(AAPL)4.98兆ドル/787.34兆円
3トヨタ(7203)35.16兆円Alphabet(GOOG)4.19兆ドル/662.44兆円
4キオクシアHD(285A)29.94兆円Microsoft(MSFT)3.83兆ドル/605.52兆円
5三井住友FG(8316)25.32兆円Amazon(AMZN)2.69兆ドル/425.29兆円
6日立(6501)24.86兆円Meta(META)1.91兆ドル/301.97兆円
7東京エレクトロン(8035)24.51兆円Broadcom(AVGO)1.68兆ドル/265.61兆円
8アドバンテスト(6857)23.06兆円Tesla(TSLA)1.47兆ドル/232.41兆円
9リクルートHD(6098)21.72兆円Micron(MU)1.22兆ドル/192.88兆円
10ソニーG(6758)21.71兆円Eli Lilly(LLY)1.11兆ドル/175.49兆円

出典:TradingView・日本、TradingView・米国。取得日2026年9月26日。表示値の丸めを含みます。

日本1位のMUFGは、約39.95兆円。

米国1位のNVIDIAは、約5.42兆ドル。円にすると、約856.90兆円です。

その差は、約21.4倍。

10位同士でも、ソニーの約21.71兆円に対し、Eli Lillyは約175.49兆円。約8.1倍あります。

では、日本1位のMUFGを米国の表に入れたらどうなるでしょう。

同じ為替で換算すると約2,527億ドル。今回の対象企業では、Texas InstrumentsとWells Fargoの間、48位前後に相当する規模でした。

日本で一番大きくても、米国ではTOP10に届かない。

これだけ見ると、ずいぶん遠く感じます。

でも、次の表を見ると少し印象が変わります。

② 売上高TOP10。トヨタは、やっぱり大きい

売上高は、商品やサービスを売って得た金額です。ここから仕入れや人件費などを払うので、全部が利益になるわけではありません。

日本側は全社2026年3月期。米国側は各行に決算期を記載しています。

順位日本企業年間売上高米国企業・決算期年間売上高(ドル/円)
1トヨタ50.68兆円Amazon・2025/127,169.2億ドル/113.35兆円
2ホンダ21.80兆円Walmart・2026/17,131.6億ドル/112.75兆円
3三菱商事18.92兆円UnitedHealth†・2025/124,475.7億ドル/70.76兆円
4伊藤忠商事14.82兆円Apple・2025/94,161.6億ドル/65.80兆円
5MUFG†14.62兆円McKesson・2026/34,034.0億ドル/63.78兆円
6NTT14.41兆円Alphabet・2025/124,028.4億ドル/63.69兆円
7三井物産14.00兆円CVS Health†・2025/124,020.7億ドル/63.57兆円
8ソニーG12.48兆円Berkshire Hathaway†・2025/123,714.4億ドル/58.73兆円
9日産12.01兆円Microsoft・2026/63,318.4億ドル/52.46兆円
10ENEOS11.77兆円ExxonMobil・2025/123,239.0億ドル/51.21兆円

各社の決算資料を採用。資料リンクは末尾にまとめています。McKessonなど、一次資料の公表桁に合わせて丸めた数値があります。

†MUFGは一般企業の売上高とは異なる「経常収益」。UnitedHealth、CVS、Berkshireも保険などを含むため、売上の中身は小売業・製造業と異なります。Berkshireは投資損益を別に扱う売上を、ExxonMobilは売上等(Sales and other operating revenue)を使用しています。

トヨタの売上は、約50.68兆円。

Amazonは約113.35兆円なので、差は約2.2倍です。

もちろん、2倍でも大きな差です。でも、先ほどの時価総額1位同士の約21倍とは、かなり違います。

さらにMicrosoftの売上は、約52.47兆円。

トヨタと、ほぼ同じ規模なんですね。

ただし、売上が同じなら、稼ぐ力も同じなのでしょうか。

③ 営業利益TOP10。ここで、一気に景色が変わった

営業利益は、商品やサービスを売るための費用を引いたあとに、事業でどのくらい利益を残したかを見る数字です。

今回は、連結損益計算書に「営業利益/Operating income」がある会社に対象をそろえました。全企業の利益を一種類に換算した順位ではありません。

順位日本企業・決算期年間営業利益米国企業・決算期年間営業利益(ドル/円)
1トヨタ・2026/33.766兆円Microsoft・2026/61,552.4億ドル/24.54兆円
2NTT・2026/31.706兆円Apple・2025/91,330.5億ドル/21.04兆円
3ソニーG・2026/31.448兆円NVIDIA・2026/11,303.9億ドル/20.61兆円
4INPEX・2025/121.135兆円Alphabet・2025/121,290.4億ドル/20.40兆円
5KDDI・2026/31.099兆円Meta・2025/12832.8億ドル/13.17兆円
6ソフトバンク(9434)・2026/31.043兆円Amazon・2025/12799.8億ドル/12.64兆円
7キオクシアHD・2026/30.870兆円Walmart・2026/1298.2億ドル/4.72兆円
8JT・2025/120.867兆円Verizon・2025/12292.6億ドル/4.63兆円
9JR東海・2026/30.830兆円Broadcom・2025/11254.8億ドル/4.03兆円
10信越化学・2026/30.635兆円AT&T・2025/12241.6億ドル/3.82兆円

売上と同じく最新通期。調整後利益・税引前利益・経常利益は混ぜていません。資料リンクは末尾に掲載しています。

前回のTradingViewの「営業利益」欄とは、対象と定義が異なるため、顔ぶれも変わります。

日立の調整後営業利益は約1.199兆円、伊藤忠が参考表示する営業利益は約0.702兆円でしたが、今回は別扱いです。また、米国のJohnson & JohnsonやEli Lillyも税引前利益を営業利益に置き換えていません。日立決算、伊藤忠決算

トヨタとMicrosoft。売上は近いのに、利益は約6.5倍

比較項目トヨタ・2026年3月期Microsoft・2026年6月期
売上高約50.68兆円3,318.39億ドル/約52.47兆円
営業利益約3.77兆円1,552.37億ドル/約24.54兆円
営業利益率約7.4%約46.8%

トヨタ決算、Microsoft決算

売上100円あたりで考えると、トヨタは約7円、Microsoftは約47円の営業利益を残しています。

売上はほぼ同じ。でも、残る利益は約6.5倍。

これは、単に「たくさん売ればいい」という話ではないことを教えてくれます。

ただし、今回のトヨタは前期比で営業減益、Microsoftは増益でした。事業の違いに加えて、その年の状況も影響しています。この倍率がずっと続くとは限りません。

米国巨大テックは、どれくらい利益を残している?

会社最新通期の営業利益率売上100円あたりの営業利益
NVIDIA約60.4%約60円
Microsoft約46.8%約47円
Meta約41.4%約41円
Alphabet約32.0%約32円
Apple約32.0%約32円

営業利益率=同じ通期の営業利益÷売上高。各社の一次資料から計算しています。

売上が大きいだけでなく、その売上から利益がたくさん残る。

これが今回、米国の巨大テック企業を見ていて強く感じたことです。

銀行の数字は、なぜ分けるの?

銀行も、もちろん大きな利益を稼いでいます。

ただ、銀行ではお金を貸して受け取る利息も、預金者へ払う利息も、商売の中心です。一般企業とは決算書の作りが違います。

日本の銀行最新通期の経常利益(営業利益ではありません)
MUFG約3.410兆円
三井住友FG約2.303兆円
みずほFG約1.573兆円

対象は2026年3月期。MUFG、三井住友FG、みずほFG

JPMorganやBank of Americaも同じように、一般企業の営業利益とそのまま並べるのは難しい会社です。Berkshireの「operating earnings」も、今回の営業利益とは計算の仕方が違います。

ランキングにいない=稼いでいない、ではない。

ここだけ覚えておけば大丈夫です。

3つのランキングを並べると、どうなった?

それぞれの1位同士を比べると、こうなります。

ものさし日本1位米国1位米国は日本の何倍?
売上高トヨタ・50.68兆円Amazon・113.35兆円約2.2倍
営業利益トヨタ・3.77兆円Microsoft・24.54兆円約6.5倍
時価総額MUFG・39.95兆円NVIDIA・856.90兆円約21.4倍

売上の差より利益の差。利益の差より、時価総額の差。

今回の1位同士では、この仮説に沿った結果になりました。

ただ、表ごとに会社が違います。これを「アメリカ企業は全部こうだ」と広げることはできません。

そこで、同じ2社でも見てみます。

トヨタに対するMicrosoftは、売上約1.04倍、営業利益約6.52倍、時価総額約17.22倍です。

この組み合わせでも、差は広がっていました。

一方、TOP10の合計で見ると、売上約3.9倍、営業利益約9.7倍、時価総額約16.0倍です。こちらも同じ方向ですが、別々の会社を集めた表なので、日本経済全体と米国経済全体の比較ではありません。

なぜ、これほど利益率が違うのか

車は、1台増やすたびに作る必要がある

車を売るには、工場、部品、組み立て、輸送、販売網が必要です。

販売が増えれば、必要な部品や物流も増えます。大きな売上を作るために、大きな費用もかかるわけです。

ソフトウェアは、同じ仕組みを多くの人へ届けられる

Microsoftのソフトウェアや、Google・Metaの広告サービスでは、一度作った仕組みを、世界中の利用者に広げられます。

利用者が増えても、売上と同じ割合で費用が増えるとは限りません。

さらに、毎日の仕事で使うサービスなら、簡単には別のものに乗り換えにくい。繰り返し使ってもらえることも強みです。

もちろん、クラウドやAIには巨大なデータセンター、半導体、電力が必要です。デジタルだから、お金をかけずに増やせるわけではありません。 今の高い利益率と、これから必要になる設備投資は、分けて見る必要があります。

NVIDIAは、設計と「使い続けてもらう仕組み」を握る

NVIDIAは、半導体の設計を手がけ、製造をTSMCなどへ委託するファブレス型の企業です。

そして、半導体だけでなく、開発者がGPUを使うためのCUDAというソフトウェアの仕組みも育ててきました。

高性能な製品と、それを使いこなす環境を一緒に提供する。ここに強みがあります。

ただし、製造を任せているからリスクがないわけではありません。供給不足、製造先への依存、競争や輸出規制の影響も受けます。NVIDIA年次報告書

Appleも、Microsoftと同じ商売ではありません。製品の設計やブランド、サービスを組み合わせています。米国企業だから一括りに強いというより、それぞれに利益を残す仕組みがあるのだと思います。

利益の差以上に、時価総額が離れる理由

株式市場が見ているのは、今年の利益だけではありません。

**「この利益が、これからどれくらい増えるのか」**も見ています。

同じ100円の利益でも、今後ずっと100円の会社と、将来200円、300円へ増えると期待される会社では、付く値段が違います。

世界中に売れる。利益率が高い。使い続けてもらえる。成長する市場にいる。

こうした条件がそろうと、将来の利益への期待も大きくなりやすい。

今回の数字は、その見方と整合的でした。ただし、このランキングだけで時価総額の差の原因を証明できるわけではありません。金利、借入、投資負担、投資家の期待なども関係します。

そして、期待が大きいほど、期待外れだったときに株価が下がることもあります。

高い時価総額は、良い会社の証明書でも、今買って得をする保証でもありません。

では、日本企業は負けているのか?

僕は、この表を見て「日本企業はダメだ」とは思いませんでした。

トヨタの売上はMicrosoftに近い。日本にも、世界で必要とされる製品やサービスがあります。

それに、「会社全体の大きさ」と「利益を残すうまさ」は別です。

たとえば、確認済みの2026年3月期の営業利益率を見ると、こんな会社があります。

日本企業営業利益率次に知りたいこと
オービック約65.7%企業に使い続けてもらえる理由は何か
USS約52.6%中古車オークションの強さはどこにあるか
キーエンス約51.0%高い利益率を長く保てるのはなぜか
アドバンテスト約44.2%半導体需要の波を越えて成長できるか
東京エレクトロン約25.6%顧客の設備投資が変わっても稼げるか

オービック、USS、キーエンス、アドバンテスト、東京エレクトロン

利益率だけなら、米国巨大テックに引けを取らない会社もあります。

ただ、同じ利益率でも、事業の大きさ、成長する速さ、景気による変動は違います。国内の限られた市場で強い会社と、世界中へ広がる会社も違います。

また、ROEは、株主のお金を使ってどれくらい純利益を出したかを見る指標です。高い利益率が助けになることはありますが、借入や自社株買いでも数字が変わるので、利益率だけから高ROEとは言えません。

次は、日本の「利益が残る会社」を深掘りしたい

今回、僕が一番面白いと思ったのは、売上が大きい会社と、利益がたくさん残る会社が、必ずしも同じではないことでした。

では、日本企業の中で、

利益率が高い。

資金をうまく使っている。

しかも、数年先も成長できそう。

そんな会社はどこなのでしょうか。

次は、キーエンス、アドバンテスト、東京エレクトロン、オービック、USSを中心に、過去数年の利益とROE、成長の理由を調べたいと思います。ディスコや任天堂も、比較候補です。

「日本版NVIDIA」を無理に探すのではなく、その会社ならではの、稼ぎ続けられる理由を見つけたいですね。

🐼

※本記事は企業研究を目的としたもので、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。ランキングは対象企業・指標の定義・為替・取得時点によって変わります。業績は過去の実績であり、将来の成長や株価を保証するものではありません。

参考資料・データソース

ランキング候補はTradingView公開画面などから抽出し、業績は以下のIR・決算短信・SEC提出書類を優先しました。TradingViewの年間営業利益の追加表示には有料制限があったため、公式CSVによる日米一括取得は行っていません。

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